Relations Between the Different Parameters of Chaos Analysis and the Largest Lyapunov Exponent in Finger Plethysmograms

近年,人間工学的研究領域において,指尖容積脈波のカオス解析で得られる最大リアプノフ指数から,ヒトの生理・心理状態を推測する試みがなされている.しかし,その際に用いられる設定値が研究者によって異なり,統一的な見解を見出すことが困難であった.そこで,本稿では指尖容積脈波のカオス解析に用いられる設定値の差異が最大リアプノフ指数に与える影響について検討した.その結果,1)遅延時間が長い,2)発展時間が短い,3)超球が小さい,4)サンプリング周波数が低い,5)解析区間が短いほど,最大リアプノフ指数は高くなる傾向が見られた.したがって,指尖容積脈波のカオス解析では,各々の研究において同一設定値を用いて最大リアプノフ指数を算出し,相対的な比較を行わなければならない.