Evaluation of Importance of Sentences based on Connectivity to Title

本稿では, 表層的な情報を手がかりとして文と文のつながりの強さを評価し, その強さに基づいて重要な文を選び出す手法を提案する. 文の重要度の評価に際して, 表題はテキスト中で最も重要な文であり, 重要な文へのつながりが強い文ほど重要な文であるという仮定を置き, 文から表題へのつながりの強さをその文の重要度とする. 二つの文のつながりの強さは, 人称代名詞による前方照応と, 同一辞書見出し語による語彙的なつながりに着目して評価する. 平均で29.0文から成る英文テキスト80編を対象とした実験では, 文選択率を25%に設定したとき, 従来手法による精度を上回る再現率78.2%, 適合率57.7%の精度を得, 比較的短いテキストに対して提案手法が有効であることを確認した.