Simplified Response Analysis of Framed Structures based on an Inclined Ellipsoidal Approximatiion of Safety Domain

鉄骨骨組の塑性化部位における塑性条件は,関連する部 材力空間において凸集合を形成する.これらの凸集合端点 を組合せ融合演算(MELD)し,骨組の釣合式を用いて, 水平力空間ならびにモード復元力空間に線形写像すると, 完全弾塑性骨組の復元力空間における降伏凸多面体の全体 像を抽出することが可能となる.骨組の塑性化する要素が 少ない場合には,凸集合理論に基づく exhaustive enumerationで復元力空間における安全領域を正確に把握すること が可能である.しかし,大規模構造物では端点像の数が極 めて大きくなり,降伏面を構成する個々の区分超平面を正 確に把握することは非常に困難となる.そこで,本稿では 端点像の全体を,超楕円体で近似する簡略化した降伏曲面 モデルについて検討する. 多自由度系の弾塑性応答解析における自由度を軽減さ せ,簡略化した降伏多面体モデルを用いた弾塑性地震応答 解析の手法が提案されている.しかし,考慮する降伏面の 選定は,崩壊メカニズム形の数え上げを伴う近似信頼性解 析を実行する必要がある[1][2].また応答解析におい て,復元力更新時に端点処理の問題が生じる.このような 問題に対して,本稿で提案する手法では塑性崩壊に対する 安全領域を超楕円体で近似しているため,端点処理の問題 も生じない.そこで本稿では,近似降伏曲面モデルを用い た簡略化地震応答解析の可能性を検討する.