A CASE OF MALT LYMPHOMA DIFFICULT TO DIFFERENTIATE FROM PRIMARY LUNG CANCER

症例は54歳,女性.平成17年1月会社の検診胸部X線像で異常影を指摘され,胸部CT: 右肺S3に約2cmの結節影を認めた.気管支鏡下肺生検を施行するも確定診断は得られなかった. FDG-PET/CT施行し,右肺上葉S3の陰影に一致してFDGの集積を認め,肺癌の疑いで手術施行となった.胸腔鏡下右肺上葉切除術施行.術中病理で肺リンパ腫の診断であった.術後免疫染色で肺MALTリンパ腫の術後病理診断であった.術後1年経過するが再発は認められず,経過良好である.肺MALTリンパ腫は稀な疾患であり,特異的な画像所見を欠くため,診断困難な症例が多いとされている.文献的には病変は多発することが多いが今回の単発の肺MALTリンパ腫は治癒切除を行えば予後良好な疾患であり胸腔鏡下肺葉切除の良い適応と思われた. われわれは原発性肺癌と鑑別が困難であった肺原発MALTリンパ腫の1例を経験したので報告する.