Professional Development System of Engineers at the Society of Automotive Engineers of Japan

工学教育(J.of JSEE), 60–3(2012) 1.はじめに 日本のものづくりを支える基幹産業である自動車産 業は,今,大きな変革期を迎えている.動力が内燃機 関自動車からハイブリッド自動車や電気自動車へと移 行しつつあるので,その変革に適応した人材の育成が 求められている. 公益社団法人 自動車技術会(以下,自動車技術会) は自動車技術に関する学術学会である.自動車産業は, 生産・販売・整備・輸送など広範な関連産業を持つ総 合産業であるので,自動車技術会の会員数は40,000名 を超えている.海外ではFISITA(国際自動車技術会連 盟)およびAPAC(アジア太平洋自動車技術会議)の 有力メンバーとして,積極的な活動を展開している. 自動車技術会は,産官学の連携の元に学術研究発表 会やシンポジウムの開催,あるいは論文集や専門書籍 等を発行するなどの通常の学会活動はもちろんである が,人材育成,特に自動車技術者の育成に注力してい る.本稿では,その中心的役割を果たしている技術者 育成委員会による技術者育成活動の取り組みを紹介す る.