A Case of Aortic Valve Replacement in Patient with Chronic Idiopathic Thrombocytopenic Purpura

特発性血小板減少性紫斑病 (idiopathic thrombocytopenic purpura: ITP) を合併 した大動脈弁狭 窄症 (AS) の66歳, 女性に対し, 脾臓摘出術と大動脈弁置換術を一期的に行った. 入院時の血小板 数は6.0万/mm3と 低値であったが, γ-グロブリン投与 (400mg/kg/day) を5日 間行い, 手術直 前には7.0万/mm3と 軽度増加 した. 手術は脾臓摘出術を先行 し, ついで大動脈弁置換術 (ATS 19 mm) を行った. 術後は血小板が徐々に増加 し, 第15病 日に22.5万/mm3と なった. γ-グロブリン 多量静注療法後に弁置換術と脾臓摘出術を同時に施行 したのは今回で2例 目であり, ITP合 併症例 の開心術では, 術前の γ-グロブリン多量静注療法後と同時脾臓摘出術の組み合わせはITPの 寛解も 期待でき, 有効な治療戦略であると思われた. 日心外会誌29巻6号: 400-403 (2000)