A Consideration on Rescue Robot Contest from Viewpoint of Technology Education

Many robot contests have been widely held for the purpose of training of creativity through the production education. In this paper, various robot contests are first cosidered from the viewpoint of technology education including the production education, and show the validity and some problems. Furthermore, the rescue robot contest is also considered from the viewpoint of technology education, and the difference between the rescue robot contest and other robot contests is clarified. Finally, some rescue robots designed by Hiroshima Univ. team and the rescue strategies are introduced. 1.緒 言 平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震 災以降,レスキュー活動に関する研究が盛んに行 われるようになった。また,本年度からは文部科 学省大都市大震災軽減化特別プロジェクトも立ち 上がり,研究活動が本格化されてきた。その一方 で,レスキュー活動やレスキュー技術の啓蒙を目 的として,レスキューロボットコンテスト1)が 2年前から開催されている(プレ大会を含めると 3年前からの開催)。このコンテストは1/8ス ケールで模擬したフィールド(震災現場)から, ダミー人形(ダミヤン)を迅速に放出し,安全ゾ ーンに搬送することを競うロボットコンテストの 一つである。その際,被災者の立場,いわゆる人 道的立場に立った救出方法が求められており,こ の点についてのアイデアも評価の対象となってい m 一方,さまざまなロボットコンテストが,全国 各地で開催されるようになってきた。最も有名な ところでは, NHKアイデア対決ロボットコンテス ト2)が,およそ10年くらい前から開催されてお り,ものづくり教育の促進において一役を担って いる。しかし,これら多くのロボットコンテスト は,創意工夫する能力の育成や論理的な思考能力 の育成など,いわゆる創造力の育成という観点で は一応の成果を収めてはいるものの,コンテスト での勝敗に重点が置かれるあまり, 「相手への思 いやり」や「人との協調性」など,さらに一歩踏 み込んだメンタル的な部分の育成という点が,十 分に考慮されていないように思われる。技術教育 においては, 「ものづくり教育は人づくり」とい う考えのもと,ものづくり教育を通して人間形成 というより深い内容が扱われている。 本稿では,まず,さまざまなロボットコンテス トをものづくり教育を含めた技術教育の側面から 眺め,その有効性と問題点について考察する。次 に,レスキューロボットコンテストを先と同様に 技術教育の観点から考察し,他のロボットコンテ ストとの違いを明らかにする。最後に,レスキュ ーロボットコンテストに向けて製作したロボット と,コンテストの模様を紹介する。 *呉工業高等専門学校, **高松工業高等専門学校