Clinicopathological Examination of Six Cases of Appendicular cystomyxoma

虫垂粘液嚢腫6症例を経験した.これらの術前・術中診断,治療方法,病理組織診断,予後について検討した.年齢は34歳から72歳,平均58.2歳で,性別は男性1例,女性5例で女性が多かった.術前診断が可能であったのは2例で,CTおよびMRI検査が有用であった.術中に診断した4例のうち,1例は卵管嚢腫との鑑別が困難で,2例は随伴病変(腹膜偽粘液腫)を認め,他の1例は盲腸癌に合併し有意な所見を得られなかった.術式は,腺腫の2例では右側大腸癌を合併していたため結腸右半切除術,貯留嚢胞の2例では虫垂切除術あるいは,回盲部切除術,腺癌の2例では盲腸底部切除術あるいは,虫垂切除術がそれぞれ施行されていた.経過は開腹時より自壊穿破していた2例にpseudomyxoma peritoneiを認め,うち1例は死亡した.他の4例に再発の徴候はなく,6例中5例で5年生存を得た.文献的考察を加えて診断,術式,治療法,病理学的所見について検討した.