Realtime Vision for Behavior Acquisition

機械による視覚の実現を目指すコンピュータビジョンの 研究分野では,従来,2次元画像からの 3次元情報再構成 問題が精力的に研究されてきており,そこでは,処理のリ アルタイム性は,「好ましい」ものの「必然」とは考慮され ていなかった.しかしながら,3次元再構成問題の困難さ, 表現の妥当性の問題などから,近年,コンピュータビジョ ンの新しいパラダイムとして,「能動視覚」,「定性視覚」,「目 的性視覚」が着目され,ロボットのタスク遂行プロセスに おける視覚の役割との関連が明確になりはじめた [1].そこ では,ロボット自身の行動の影響も含めて「外界で何が起 こっているか?」を確認するためにリアルタイムビジョン が必要である.「何」が事前にモデル化され,画像内の特 徴やその変化から,直接とるべきロボットの行動が分かっ ている時,リアルタイムビジョンは専用システムの一部と して機能する. 本稿では,「何」に対して充分な知識がなく,それゆえ 取るべき具体的な行動指令が明確でない場合に,環境との インターラクションをとりながら,自分の行動を決定して いくプロセスにリアルタイムビジョンが大きな役割を果た していることを,移動ロボットや視覚サーボの研究例を通 して示す.いずれも,環境やロボットの構造に対する事前 知識を前提とせず,視覚情報のみを通して,タスクを遂行 する枠組を提案している.そしてタスク遂行過程において, 必要なパラメータ推定を実施しており,従来必要とされて きた,カメラキャリブレーション,3次元情報の再構成を 一切必要としないという特徴がある.

[1]  G. Horridge The evolution of visual processing and the construction of seeing systems , 1987, Proceedings of the Royal Society of London. Series B. Biological Sciences.

[2]  R. Held,et al.  MOVEMENT-PRODUCED STIMULATION IN THE DEVELOPMENT OF VISUALLY GUIDED BEHAVIOR. , 1963, Journal of comparative and physiological psychology.

[3]  Michael J. Black,et al.  A computational and evolutionary perspective on the role of representation in vision , 1994 .

[4]  Masayuki Inaba,et al.  Remote-Brained Robotics : Interfacing AI with Real World Behaviors , 1993 .

[5]  Minoru Asada,et al.  Versatile visual servoing without knowledge of true Jacobian , 1994, Proceedings of IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS'94).