CLOSURE OF A REFRACTORY ENTEROCUTANEOUS FISTULA WITH PERCUTANEOUS INTESTINAL DRAINAGE-A CASE REPORT-

消化器外科術後に稀に発生する腸管皮膚瘻は,しば しば長期間の入院を必要とし,治療法として保存的治 療か外科的治療かの選択に悩むことがある .今回 われわれは,消化器外科術後に発生した難治性小腸皮 膚瘻に対し,小腸皮膚瘻から離れた部位から経皮的に バルーン付き尿道カテーテルを口側腸管内に挿入し消 化液のドレナージを行い,小腸皮膚瘻を縫合閉鎖しえ た1例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 症 例 患者:67歳,男性. 主訴:発熱,黄疸. 既往歴:他院にて約10年前に急性胆囊炎,胆囊結石 で胆囊摘出術,その3週間後に腸閉塞で癒着剥離術を 受けている. 現病歴:前医で以前から総胆管結石を指摘されてい たが放置していた.発熱,黄疸を主訴に前医を受診し, 急性閉塞性胆管炎疑いで当科紹介入院となった.血液 生化学検査,腹部CT検査と内視鏡的逆行性胆道造影 検査で,総胆管結石による急性閉塞性化膿性胆管炎と 診断した.ENBDチューブを留置し,減黄後に開腹手 術を施行した. 手術所見:前回の手術創で開腹した.高度に癒着し た小腸を右上腹部から臍下部に認め,癒着を剥離しな ければ総胆管を確認できなかった.癒着剥離時に損傷 した小腸は丹念に修復し,腸管切除は行わなかった. 総胆管切開切石術,Tチューブ・ドレナージ術を施行 し,Winslow孔にドレーンを挿入して手術を終了し た. 術後経過:術後第5病日に手術創部とドレーンから 合計700ml/日の消化液の排液を認めたため再開腹し た.癒着剥離時の損傷・修復部を含め一塊となってい た小腸を約40cm切除し,全層縫合と漿膜筋層縫合で 端々吻合した.Tチューブからの術中造影検査では総 胆管に異常はなかった.傍結腸部にドレーンを挿入し 腹壁は閉鎖した.さらに術後は胃管を挿入し,中心静 脈高カロリー栄養,プロトンポンプインヒビターの静 脈投与を行った.しかし,再手術後第7病日に再び手 術創部とドレーンから消化液が持続的に漏出した.イ レウス管を上部空腸で留置し,持続低圧吸引器を接続 し消化液を吸引ドレナージした.血中血液凝固第XIII 因子が50%と低下していたためXIII因子製剤を投与し たが瘻孔は閉鎖しなかった.皮膚は広範囲に発赤し, 一部にびらん,潰瘍を形成し自発痛,圧痛を伴った難

[1]  V. Pontieri-Lewis Management of gastrointestinal fistulas: a case study. , 2005, Medsurg nursing : official journal of the Academy of Medical-Surgical Nurses.

[2]  A. Hidemura,et al.  FIBRIN GLUE CLOSURE OF POSTOPERATIVE ENTEROCUTANEOUS FISTULAS , 2002 .

[3]  J. Fischer,et al.  Classification and pathophysiology of enterocutaneous fistulas. , 1996, The Surgical clinics of North America.

[4]  T. Hwang,et al.  Randomized trial of fibrin tissue glue for low output enterocutaneous fistula , 1996, The British journal of surgery.

[5]  T. Hugh,et al.  Persistent postoperative enterocutaneous fistula: pathophysiology and treatment. , 1986, The Australian and New Zealand journal of surgery.