Development and Evaluation of Population Monitoring System Assuming Outdoor Events

あらまし 大規模会場におけるイベント運営の際には,来場者人数の管理が重要となる.このようなデータは イベント内容の改善に役に立つだけではなく,イベントを安全に運営するためにも利用可能である.一方,近年 ではドップラーセンサなどの接近離反が検知可能なセンサが安価で利用可能である.そこで本研究では,大規模 なイベント会場の運営者が使用可能な,ドップラーセンサを使用した人群観測システムを提案する.混雑状況の 測定を行うために,人数だけではなくその場での滞在時間を含む量である人群量を定義する.また,人群量とドッ プラーセンサの測定値をゴンペルツ曲線で近似することで,センサー値から人群量を計算可能であることを示す. 実証実験のため,国営越後丘陵公園のイルミネーションイベントとコスモスとバラをメインにしたイベントにお ける人群観測を行った.イルミネーションイベントの解析データに対して EM アルゴリズムによってフィッティ ングを行い最繁時刻と混雑時間と最大人群量の三つの特徴量を抽出した.最繁時刻と混雑時間は日によってほと んど結果は変わらなかったが,最大人群量は日によって大きく異なることが分かった.この最大人群量は最低気 温と負の相関があり,気温がより低い日ほど集客が見込めるということが分かった.また,コスモス・バラ祭り イベントにおいては,天候データなどとの相関は見られなかったものの,イベント後に人群量の減少が見られ, イベント効果を確認することができた. キーワード 人群観測,センサネットワーク,センサデータマイニング,ドップラーセンサ,MQTT