PCB Removal from Pole Transformers Using the Vacuum Heating Separation Method

平成元年に一部の柱上トランスに使用されている再生絶縁油中に極微量 (50mgPCB/kg絶縁油未満) のPCBが混入していることが判明し, 早期に安全な無害化処理方法を確立することが望まれている。トランス構成材に付着・含浸している再生絶縁油およびPCB (以後PCB等という) を除去し, トランス構成材を無害化する方法の一つとして真空条件下でPCB等を加熱・蒸発・分離させる真空加熱分離法が有望視されている。実際に使用されているワニスレスおよびワニス含浸の柱上トランスを用い, PCB等を除去するための基本的な真空加熱分離条件の選定を行った後, 実証試験設備を設計・製作し真空加熱分離法の適用性実証試験を行った。その結果, 同法の標準的な適用条件を真空度0.05torr以下, 加熱温度200℃, 真空保持時間10時間とすることによりトランス構成材中の残留PCB量をほぼ定量下限値 (0.05mgPCB/kg構成材) 未満にでき, かっ設備や処理方法が環境へ影響を与えないことを明らかにした。