A Training Method of the Communication Skill to Design Information Systems

This paper proposes the method which trains capabilities of understanding and representing an information system in user's environment. By this method, all of the people related to design information systems would recognize difficulties of mutual understanding, and would form consciousness to try to represent their wants. This paper also describes the training program based on the proposed method and the evaluations of them through some experimental training. † Tetsuya Uchiki, Subarna Lata Tuladhar: Dept. of Cultural Science, Graduate School of Saitama University 1. はじめに 利用者とデザイナーとの相互理解が得られてい ないシステム開発では、デザイナーが想定した環 境と利用者の実際の環境とが異なるために利用 者の期待とは異なったシステムが作られてしま うこととなる。しかし、情報システム開発にお ける技術的な専門知識に乏しい利用者にとって、 利用環境やデザインに必要とされる情報を的確 な用語を用いてデザイナーに伝えることは大変 困難である。そのため、デザイナーに対して利用 者の要求だけでなく、情報システムデザインで最 も必要とされるシステムの利用環境さえも明確 に伝えることが困難なのである。 この問題の解決に向けて、これまでソフトウェ ア工学や情報システムの開発アプローチの視点 から数多くのモデリング技法や表記方法が考え られてきた。しかし、利用者層の拡大は利用の範 囲や方法の拡大と同時に、必要としているシステ ムをデザイナーに明確に伝えることの重要性に 気付いていない利用者の拡大をももたらしたの である。そのため、利用者とデザイナーとの間で の相互理解はますます困難な状況となってしま ったのである。しかも、このようなツールの開発 は EUC や EUD のように、デザイナーを情報シ ステム全体のデザインから個々のツールデザイ ンへと向かわせることともなり、却って利用者 とデザイナーとのギャップを深くする結果をも たらしているとも考えられるのである(表1)。 利用者の期待に応える情報システムをデザイン するためには、まず利用者とデザイナーの双方に 対して、利用する環境ややり取りされる情報を明 確に表現して伝達することの重要性を認識させ ることこそが必要なのである。以上のような背景 に基づき、本論文では情報システムのデザインに 関わる人すべてに対して情報伝達能力の重要性 を認識させると共に、その能力を育成する手法を 提案する。 2. 情報処理プロセスの伝達能力育成手法の提案 目に見えない情報処理プロセスの伝達能力を向 上させるには、対象とする情報処理プロセスを自 分が最も良いと考えられる方法を用いて他の人 に伝達することを通して、その難しさに直面させ ることが最も効果があると考えられる。特に、 表1 情報システムデザインにおけるコミュニケーション問題の分類