Quantitative Analysis of Indistinct "Mura" in Displays Based on Subjective Evaluation

近年,さまざまな種類のディスプレイの開発・普及が進 んでおり,薄型ディスプレイは情報機器,大型テレビ等さ まざまな用途において需要が高い.薄型ディスプレイの主 流は,依然液晶ディスプレイであると言えるが,他のプラ ズマディスプレイ,有機ELディスプレイ等の開発・普及も 近年進んでいる.これらのディスプレイの開発傾向は高精 細・大画面化にあり,高い画質を保つことがますます重視 されるようになってきた. ディスプレイの画質を低下させる欠陥の一つとして輝度 や色の不均一性(ムラ)がある.液晶ディスプレイの輝度ム ラについては,セルに起因する定形ムラとバックライトに 起因する不定形ムラとに大別される.このような定形・ 不定形ムラは,いずれも液晶ディスプレイに限らず,他の ディスプレイにおいても高い画質を保つために考慮すべき 重要な問題である. 生産現場における輝度ムラ等のディスプレイの欠陥の検 査は,従来検査員による目視で行われていた.しかしなが ら目視による検査には,多くの時間,人,費用を必要とす るため,検査の自動化が望まれてきた.検査自動化のため には,輝度ムラ評価の定量化を行う必要がある.液晶ディ スプレイの定形ムラについては,定量化に関するいくつか の研究成果が示されている.人間の感覚に対応した輝度ム ラの品質基準を,定量的に求めることを目的とした実験的 検討では,主観的な評価と輝度ムラが持つ物理的特徴との 関係を明らかにした結果が報告されている.また他の 先行研究においては,視覚の空間周波数特性を利用し てディスプレイ上の主要な欠陥を検出するモデルも提案さ れている.以上の先行研究により,生産現場での検査自動 化が実現しつつある.なかでも,ムラの面積と認識限界コ ントラスト(JND)との関係を定式化した研究の成果は, 液晶ディスプレイにおける輝度ムラの測定単位SEMU (SEMI MURAの略称)として2002年にSemiconductor Equipment and Materials International (SEMI)で標準化 されている. 定形ムラについては,測定単位の標準化が行われている 一方,不定形ムラについては定量化に関する充分な検討が 行われていない.比較的はっきりとした輪郭を持って局所 的に生じる定形ムラに対して,不定形ムラは比較的緩やか な輝度変化の勾配でディスプレイの広範囲に生じる.例え ば,ディスプレイの中央部分での作業時には認識できない 程度の輝度変化であっても,ディスプレイ全体を見渡した 時に中心部と周辺部の輝度の不均一性が認識されるといっ たことが生じる.不定形ムラがこのような特徴を持つこと を考慮すると,不定形ムラの定量化には,単に局所部間の 輝度変化閾等の指標ではなく,局所部間の輝度変化の特徴 を加算的に表すような指標が有効であるかもしれない. Abstract Our purpose was to reveal a relationship between subjective evaluation for indistinct Mura of display and two-dimensional luminance distribution characteristics of Mura images. We conducted an experiment to evaluate indistinct Mura images using the magnitude estimation method. The results suggested that three numerical indexes would be important for the subjective evaluation for indistinct Mura. The indexes were(1)number of pixels which were 200 or less in 256 gray scale levels, (2)sum of edge areas, and(3)sum of edge boundary lengths. Each index would correspond to the area that observers could recognize as Mura, the area with luminance change in Mura images, and complexity in shape of that area.