CHARACTERISTICS OF SCENIC VIEWS AND TOPOGRAPHIC ENCLOSURE OF THE TRADITIONAL GARDENS IN KYOTO

本研究は,現存する京都の古庭園のうち,敷地外の地形が庭園空間の境界の形成や眺望景観の創出に大きく関わっている庭園として,成就院,慈照寺,南禅院,酬恩庵の四庭園を対象として,その地形的囲繞の構成と眺望景観の特性について地形的要因とともに考察した.その結果,これらの庭園では,地形的囲繞を補完するような敷地計画と視界方向の設定が行われることで,囲繞空間側に敷地規模の数倍の規模の空間を創出し,これにより山に囲まれた幽深,雄大な眺望景観を創出していたことを示した.さらに同一庭園内の複数の視点場において,地形による囲繞を強調,もしくは開放性を強調した眺望景観の創出と,それらの異なる眺めの対置がみられたことを示した.