Midazolam as a Sedative during Spinal Anesthesia

脊椎麻酔下に子宮単純全摘術を行なった61症例に,鎮静を目的にミダゾラムを静脈内投与し,呼吸・循環に与える影響,至適投与量について検討した.ミダゾラムは循環に与える影響は少ないが,1回換気量および動脈血酸素飽和度を有意に低下させる.0.1mg/kgでは呼名反応がなくなり,下顎挙上を必要とする上気道閉塞をきたしやすい.0.05mg/kgでおおむね良好な鎮静と健忘が得られ,適切な投与量と考えられた.しかしこの量でも動脈血酸素飽和度の低下や気道閉塞をきたす症例もあり,呼吸・循環の変化に対し厳重な監視が必要である.また少量のドロペリドール使用は,術中問題となる嘔気の防止に効果的であるが,血圧の低下には注意が必要である.