健常者, 代謝性骨疾患につきビタミンK依存性カルシウム結合蛋白質 (osteocalcin) の血中濃度を radioimmunoassay により測定し以下の成績を得た.1) 30~69歳までの健常者では血中オステオカルシン濃度に年齢差・性差は認められなかった. 30~39歳: 男子(n=18) M±SE 10.42±0.57ng/ml, 女子(n=10) M±SE 9.32±1.09ng/ml, 40~49歳: 男子(n=47)M±SE 9.57±0.35ng/ml, 女子(n=16) M±SE 10.00±0.83ng/ml, 50~59歳: 男子(n=33)M±SE 9.25±0.38ng/ml, 女子(n=14)M±SE 9.65±0.48ng/ml, 60~69歳: 男子(n=10)M±SE 9.77±0.97ng/ml, 女子(n=9)M±SE 10.10±0.68ng/ml, 以上30-69歳: total (n=157) のM±SEは9.68±0.20ng/mlであった.2) 血中オステオカルシン濃度は甲状腺機能亢進症, 慢性腎不全では健常者に比し有意の上昇を示し, 老人性骨粗鬆症では有意の低下を示した. 甲状腺機能亢進症 (n=39) のM±SE:17.29±1.56ng/ml(p<0.001), 甲状腺機能低下症 (n=18) のM±SE:12.26±2.30ng/ml, 慢性腎不全 (n=6) のM±SE:31.27±3.12ng/ml (p<0.001), 老人性骨粗鬆症 (n=21) のM±SE:7.32±0.74ng/ml (p<0.01) であった.3) 老人性骨粗鬆症においては血中オステオカルシンと血中1.25-(OH)2Dとの間に有意の正相関が認められたが, 一方血中Ca, P. Al-Pase, PTH-CT, 25-OHD, 24,25-(OH)2Dとの間には有意の相関は認められなかった.