Effective Utilization of KR Slag in Iron Ore Sintering Process

鉄鉱石焼結プロセスは高炉用主要鉄源である焼結鉱を国 内で年間約8000万トン生産している。主熱源としてコーク スを使用しているため,二酸化炭素排出量は日本全体の約 3%であり,その削減は地球温暖化防止の観点から重要で ある。焼結プロセスからの二酸化炭素排出の削減方法とし て,コークス以外の熱源への代替という直接的な方法と, 生産性向上という間接的方法が考えられる。前者は例えば 化石燃料由来の二酸化炭素を排出しないバイオマスや鉄, 二価鉄の酸化熱を利用した鉄系凝結材の利用 であり,後 者はシンターケーキの強度上昇による歩留まり上昇 な どである。 溶鋼の脱硫法の一つであるKRプロセス から排出され るスラグはKRスラグと呼ばれ,CaO,金属鉄,ウスタイト などを含有しており,焼結原料中にCaO源として数%混合 され使用されている。焼成中はKRスラグ中の金属鉄,ウ スタイトが酸化発熱すると考えられるが,その挙動は定性 的にしか理解されていない。また,焼結層内で融液量の増 加は焼結鉱強度上昇に寄与するが,過剰融液生成は焼結層 の通気性を低下させる 。したがって,鉄系凝結材の融液 生成挙動の把握と制御は,鉄鉱石焼結鉱の生産性および品 質制御のため不可欠と考えられる。 本研究では,KRスラグの酸化挙動について基礎的に検 討し,その特徴を評価した。また,コークスとの混合比を 変更し,融液生成挙動について検討を行うことで,焼結原 料としてKRスラグを使用するための条件を考察した。