Calibration of Vibration Pick-up Sensitivity and its Uncertainty Estimation in Sine-approximation Method Compared with the Conventional Methods.

振動ピックアップ感度の1次校正として, 計数法, 零点法, 正弦波近似法を同一の装置を用いて同時に行い, 適用法, 範囲, 不確かさの解析法および見積を示した.校正加速度10m/s2において得られた主な結論を以下に示す.(1) 正弦波近似法による測定可能な最小変位振幅は直角位相光の復調精度で決まり, 本校正装置において50nmを実現した.また現段階では校正可能な最高周波数は2000Hzである.(2) 正弦波近似法において近似波形の標準不確かさを求めるために回帰分析を適用し, その方法を示した.(3) 正弦波近似法による相対拡張不確かさは約±0.16~0.9% (包含係数2において) であった.内訳は加速度測定に関して約0.02~0.8%, 電圧測定に関して約0.15~0.3%であった.(4) 現行法と正弦波近似法の校正結果が不確かさの範囲でほぼ一致することを確認できたが, 電圧測定系の特性およびノイズ, 実質的な測定区間の違い, 低周波振動などの影響により, 相違が生じる可能性を示した.(5) 正弦波近似法は現行法に比べ適用範囲がひろく, 不確かさは同等もしくは優れていることを示した.ただし, 適用周波数によっては現行法も十分な精度を有している.本報で示した結果は10m/s2という比較的低加速度におけるものである.大加速度においては加振器の横揺れ, 干渉計を構成する光学素子の寄生振動などの不確かさ要因が無視できなくなると考えられ, これらを独立に評価することが望まれる.今後はより適用範囲を拡大し, 不確かさの解析を行う予定である.