Energy Consumption Reduction of Machine Tools

1997 年に京都議定書が採択され,省エネや二酸化炭素 削減に関心が高まり,さらに東日本大震災で福島原発の稼 動停止のため関東地方の電力不足が深刻になり,本年は国 内すべての原発が停止することとなり,特に関西地方の夏 の電力不足により,産業界からの原発再稼動要望が高まり 大飯原発は再稼動が決定している. 製造業の商品開発において現在最も重要なテーマはエネ ルギー効率のよい商品を供給し省エネの要求に応えること であろう.自動車や家電の宣伝では省エネが一番のうたい 文句になっている. 工作機械メーカとして社会の消費電力削減の要求に応え るために,1工作機械の生産に必要な電力を節約すること 2製造する工作機械を省エネタイプにして,ユーザの工場 での消費電力を抑えることの両者を比較すると後者のほう が圧倒的に節約できる電気量の総和が大きい.工作機械に おける省電力要求に対応するために,1工作機械そのもの を省電力タイプになるように製品自体を改良する2加工方 法や切削条件の最適化により消費電力を節約する方法が考 えられる.1の場合はユーザが特に意識しなくても省エネ が図れる,2の場合には切削条件の最適化による省エネは 既存の工作機械設備においても適用可能となり,それぞれ の改善が進むことが望ましい.過去に研究された工作機械 の省エネに関する研究ではドライ切削,効率的なパス, 電力量モニタなどが挙げられる.本稿では1,2両面か ら工作機械の省エネについて検討することとする.