A Recurrent Case of Constrictive Pericarditis after Pericardiectomy Using ePTFE Pericardial Substitution

症例は 67歳男性.57歳時に陳旧性心筋梗塞,労作性狭心症に対して冠動脈バイパス手術(CABG)を施行 され,59歳時に収縮性心膜炎を発症した.心膜切除および心外膜切開を施行し,ePTFE心膜シートによる 心膜補填を行った.術後経過は良好であったが,8年後に腹部膨満・浮腫が出現した.心エコー検査,カ テーテル検査の結果,収縮性心膜炎の再発と診断され,再度手術を施行した.手術所見は ePTFE心膜シー トの表裏両面に硬い被膜が形成されており,シートと被膜を切除することで拡張障害が解除された.将来の 再手術の可能性を考慮して施行した ePTFE心膜シートによる心膜補填であったが,結果的にこれが原因で 収縮性心膜炎の再発を来したものと考えられた.この経験から心膜補填の適応は慎重に検討されるべきであ ると考えられた.日心外会誌 50巻 4号:252-255(2021) キーワード:収縮性心膜炎;ePTFE心膜シート;再発性収縮性心膜炎;心膜切除術;拡張障害