A study of delivery distribution in the central area by Tokyo Metropolitan Freight Survey

1. はじめに 端末物流は、生産地から消費地に至る物の流れのうち、 最終的な到着地である商店や事務所へ物流である。端末 物流は、住宅への配送でも発生しているが、商業施設が 多く立地する中心市街地で特に顕著にみられる。 中心市街地は、商業 ・業務 ・文化 ・行政 ・医療 ・娯楽 などが集積する地域活力の中心である。一方で、大都市 圏の中心市街地には、鉄道駅などの公共交通機関の結節 点に商業機能が集積し、交通混雑の解消、バス等の利便 性の向上、快適な歩行空間の確保など様々な地区の課題 を抱える地区もある。また、一部の中心市街地では活力 の停滞も生じており、地区の魅力を高めて活力を取り戻 すことも大きな課題となっている。 このような状況の中、中心市街地の活力の向上の視点 から、端末物流を含めた地区の交通環境を改善し、まち の魅力を高める必要がある。また、道路交通法の改正に より違法駐車の取締りが強化され、中心市街地における、 貨物車の路上駐車を含む端末物流対策の必要性は増大し ている。 中心市街地において端末物流対策を立案 ・実施するた めには、端末物流を原因とする地区交通の課題がどのよ うに生じているかを知ることは極めて重要である。 本論文は、東京都市圏交通計画協議会※1が平成15年、 16年度に実施した第4回 東京都市圏物資流動調査のうち、 5つのケーススタディ地区を対象に実施した地区物流調 査の結果から、端末物流の実態及びケーススタディ地区 における交通問題と端末物流の因果関係について取りま とめたものである。 本論文では、初めに第4回 東京都市圏物資流動調査 の地区物流調査の概要を示した。次に、その調査結果と して端末物流の実態及び、船橋地区と横須賀地区との比 較や町田地区での事例をもとに、端末物流と地区の交通 問題との関係について分析を行った。最後に、課題とな る端末物流への対応策の考え方と町田地区を事例に対策 の導き方を示した。