A Retrospective Consideration on Post operative Homologous Blood Transfusion in Cases Who were Controlled with Autologous

過去9年6カ月間の自己血輸血施行159症例の臨床経験をもとに,術中出血量が1,785±685mlであった手術症例において,自己血輸血のみでは対処できず,同種血輸血を行なった症例には,術前・術後のいかなる因子が影響しているか検討した.術後1日のヘマトクリット値,術前ヘマトクリット値,希釈式自己血と回収式自己血返血後のヘマトクリット値,赤血球洗浄利用率(回収血液の非溶血率),術前血清鉄値,体重当りの術中出血量,手術時間,体重,体重当りの術後6時間の出血量の順に影響していることが認められた.また術前・術後の鉄剤投与の有無が影響することが認められた.同種血輸血施行の決定は,術後のヘマトクリット値のみで決定されていたが,今後はその変化,出血量,血清鉄値などや,モニター所見を加え,総合的に患者の代償機能を判定して定めるべきであると思われた.