An Improvement of Force-directed Hierarchical Graph Layout And Its Application to Web Site Visualization

グラフデータの視覚化技術は,近年活発に研究が進められており,金融・交通・通信・社会組織・科学・計算機システム・インターネットなど,非常に幅広い分野のデータ分析およびデータ監視の目的での実用が報告されている.グラフデータの視覚化における最も大きな問題は,「グラフを誤読させない適切なノードの画面配置を,自動的に実現する」という問題である.この問題を解決するために,ノードに分子間力モデル,アークにバネモデルを適用して,運動方程式によって良質なノード配置結果を得る手法が提案されている.本論文では,上記のような「力学モデルを用いたグラフデータの画面配置手法」の改良手法および階層型グラフデータへの拡張手法を提案する.本手法は,ノードを1個ずつ配置するインクリメンタルなアルゴリズムにより,配置結果を改善するとともに,計算時間の増加を抑えることに成功している.また本論文では,上記手法を用いたウェブサイトの視覚化結果を提示する.本手法では,ウェブサイトを構成するウェブページをノード,ウェブページ間のハイパーリンクをアークとして,またウェブページのディレクトリ階層を参照してウェブページを階層型データに格納することにより,ウェブサイトを階層型グラフデータとして表現する.この階層型グラフデータを上記手法により画面配置し,個々のウェブページをサムネイル画像で表示することにより,ウェブサイトの全体像を表現する.