STRAIN CONTROLLED LOW CYCLE FATIGUE BEHAVIOR OF STRUCTURAL STEELS

橋梁,海 洋構造物 などの鋼構造物が,地 震,風,波 浪 な どに よる過大 な外力 を比較的少ない 回数(10~105回 程度)受 けた とき,部 材 あるいはそれ らの継手部 に疲れ きれつが発生 ・進展 し,破 壊 を起 こす,い わゆる低 サイ クル疲れ は,構 造物が異常時荷重 を受 ける場合 の安全性 を確保 する うえで,そ の性状 を明 らかにする ことが必要 であ り,究 明の重要性は従来 よ り指摘 されてきた ところ である1)~3).また,公 称応力が許容応力以下であるよ う な一般 の載荷状態で も,構 造物 中に必 ず存在 す る切 欠き 部では,切 欠 き底が局部的に降伏 し,塑 性 ひずみ を繰返 し生ずる ことがあ り,こ の よ うな部材の疲れ挙動 を解 明 す るうえで も,低 サイ クル疲れの諸 性状 を求 め ることは きわめて有用であ る4)。 この低 サイ クル疲れは,高 サイ クル疲 れの場合 と異 な り,構 造材料 の塑 性領域における応 力あるいはひず みの 繰返 しを取扱 うため,ひ ずみ制御下の ものか,荷 重制御 下の ものかで,そ の疲れ性状はかな り異な った もの とな る.実 際 の鋼構造物に考え られる低 サイ クル疲 れは,そ の 構造型式 や 載荷条件な どに よ り各種の場合 が生 ずる が,こ こではその うち疲れきれ つ発生位置 がひずみ制御 的 となるよ うな場合の低サイ クル疲れ の問題 を対象 とし ている.鋼 構造物のひずみ制御低 サイクル疲れ における 寿命評価 あるいは構造設計に際 しては,構 造部分 の繰返 し載荷 に伴 う塑 性ひずみ を決定 し,こ のひずみ量 か ら構 造部分 の疲れ寿命 を推定す るのがその考 え方 の骨子 とな るが,本 論文 はこれ らの方法 を適用するに際 し必要 とな る各種構造用鋼材のひずみ制御低サ イクル疲れ の諸特性 を求 めたものであ る. 構造物 の低サイ クル疲れ寿命 を考える とき,も っとも 基本 となるのは素材のひずみ制御試験 か ら得 られ る,ひ ずみ振幅 ~寿命線図 であ り,こ れを求 めるための研 究は 従来 よ り内外 で種 々の金属材料 に対 して数 多 く実施 され ている.わ が国で鋼 を対象 とした ものには,堀 田 らの低 炭素鋼 か ら超高張 力鋼 までの10鋼 種 に対す る研究5)~7 ), 飯 田 らに よるSS41, SM50, HT60の 疲れ きれつ発生 寿命 に注 目 した研究8)~11),大路 らの低炭素鋼で予ひずみ の影響 を調 べた 研究12),中 川 らのS55Cを 用 い た 研 究13),黒 羽 らのH型 鋼 か ら切 出 した材 料に よる研究14)な どがあげ られ る.そ して,い ずれの研究 において も塑性 ひずみ振幅,弾 性 ひず み振 幅 と疲れ寿命 が両対数 で直線