Utilization of Waste Heat from Alkaline Effluent Bleaching Process

当社新潟工場はパルプと紙・板紙製造の一環工場であり, パルプ製造の設備能力は日産1,100t/d 規模となっている。省エネルギープロジェクト活動の一環として, 従来KP工程から排出されていた温排水のうち, D晒アルカリ排水に着目し, 廃熱回収を具体的に検討することとした。過去の操業経験と排液の性状分析から, この排水は腐蝕性よりもスケール付着性が強いことが判ったので, 熱交換器にはプレート式よりも流体の流路幅の広いスパイラル式を選定した。熱回収による投資効果を高めることを基本として, 回収熱の利用先を選定した結果, 冬場において抄紙機の抄速低下を回復させるために回収熱の有効利用を図ることとした。3号抄紙機では, 熱交換器により回収した排水の保有熱によりL 原料受入れ脱水機の希釈水を40℃ レベルまで昇温させた。これにより各チェスト内の原料温度を昇温させ, ストックインレット温度を45℃昇温させることができた!同様に4号抄紙機でも回収熱により濃度調整用希釈水を50℃レベルまで昇温させて, 各原料チェスト内の原料温度を昇温させることにより, ストックインレット温度を4.5℃ 昇温させることができた。 いずれの抄紙機も, 冬場において抄速向上による生産の増加を確認している。工場全体としての熱の有効利用対策工事となったことに加えて, 温排水の温度低減の一助ともなった。