A Practice of Design Thinking through Manufacturing-based Learning-Challenge by Interdisciplinary Groups of Students-
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93 1.はじめに 20世紀後半に工学の分野から発達したデザイン思考 の概念は現在,新たな製品やサービスを生み出すための 手段として大きな注目を集めている.デザイン思考とい う言葉の解釈は様々あるが,おおむね「問題解決場面に おいて,ニーズを中心として問題を捉え直し,より効率 的・革新的な解決方法を探るプロセス」を指す言葉と捉 えられている.その汎用性・重要性から大学教育におい ても取り扱われるようになってきており,例えばスタン フォード大学のd. schoolなどが有名である. 大阪大学では,博士課程リーディングプログラム「超 域イノベーション博士課程プログラム」のカリキュラ ムの一環として,「体験して学ぶデザインシンキング入 門」が開講されている.本取り組みは,おもちゃの作成と いうものづくり体験を通して,課題の発見・解決や,プ ロジェクトマネージメントといったデザイン思考の素養 となる能力を養うことを目的としたPBL(Project-based learning)型の授業である.本稿では,当該授業の2015 年度の参加学生という立場であった著者らから,その内 容,経過,そして得られた成果について報告する. 2.授業の枠組み 2.1 課題と授業スケジュール 授業では11名の参加学生が3グループに分けられ,「3 ~7歳の子どもが遊ぶための,動くおもちゃ」を作るこ とが求められた.作成したおもちゃは,コンセプトや使 いやすさ,安全性,コストといった観点から教員,参加 学生,ティーチングアシスタントによって採点される. 参加学生は,3グループ内でより高い得点を得ることを 目的として課題に取り組んだ. 授業は,はじめにデザイン思考のための手法と課題に ついての説明を行う講義(90分)1回と,丸一日(10:30 ~17:00)の演習3回から構成される.3回目の演習の 最後に,学生が製作したおもちゃの発表会が設定されて いた.はじめの講義から最終発表会までの約1か月半の 間,学生は授業外の時間でも作業に取り掛かることが可 能であったが,工作機械の扱いの難しさなどから,主な 作業は授業内で行われた. 2.2 制約 学生には3Dプリンタやレーザーカッターをはじめと した十分な道具と作業場が与えられた.また,材料の購 入に関しても大きな制限はなく,学生は自由な発想で課 題に取り組むことが可能であった. 2.3 参加学生 当該授業を計画した「超域イノベーション博士課程プ ログラム」では,専門分野の垣根を超えた学生同士での 2016 年 11 月 20 日受付 ※1大阪大学大学院人間科学研究科 ※2大阪大学大学院工学研究科 ※3大阪大学大学院理学研究科 事 例 紹 介 Case study