Micrometastasis in Omental Milky Spots and Intraperitoneal Chemotherapy with Carbon-adsorbed Mitomycin C (MMC-CH) Against Peritoneal Cancer Dissemination in Gastric Cancer.

腹膜転移を予知するためには, 転移の機序特にその初期像を知る必要がある.腹腔内のリンパ系は腹腔内のホメオスターシスを維持し, 腹膜播種性転移とも密接な関係にある.大網においては, 転移初期には大網のリンバ系組織である乳斑に選択的に癌細胞が転移する.肉眼的に腹膜転移陰性 (P0) と判定された大網でも詳細に検討すれば, 大網乳斑にmicrometastasisの潜んでいる可能性がある.活性炭 (CH) に50mgのマイトマイシンC (MMC) を吸着させたMMC-CHの閉腹時腹腔内投与は漿膜浸潤陽性の胃癌患者の予後を改善する.これはリンパ指向性のある活性炭が腹腔内のリンパ系組織に選択的に吸収され, 同部位で徐放性に高濃度のマイトマイシンCを放出し制癌効果を発揮するためであると考えられる.腹膜播種性転移の予知とその対策には, 腹膜転移と腹腔内リンパ系との関係を解明し, 病態に応じたDrug Delivery Systemを工夫することが大切である.