NMR OF WATER OF CRYSTALLIZATION IN AUTUNITES.

層状構造をもつリンカイウラン石Ca(UO3)2(PO4)2・ηH2Oの結晶水のNMRを天然の単結晶を用いて行ない,水分子中の二つの陽子を結ぶ軸は結晶主軸に平行に配列していることを見いだした。また上記の化学式においてカルシウムイナンをナトリウム・カルシウム・マグネシウム,バリウム,銅,その他のイオンで置換したもの,およびリンをヒ素で置換したものなど数種類の試料を合成し・これらについて-150~+100℃の温度範囲でNMR測定を行なった。スペクトルは約-55℃以下の温度では,広幅のもので,結晶水は完全に静止した状態にあることに対応しているが温度の上昇とともにnarrowingを示し,置換イオンが1価の場合は約一10 °Cで,2価の場合は約+100℃で1本の鋭い吸収線となる。結晶構造が正常リンカイウラン石型である場合,層間の金属イオンに水分子が水平方向から水和するモデルを想定し,二次モーメントを求めると,理論徳と実測値はよく一致することが判明した。