Ghost Reduction by Adaptive Zero Forcing Algorithm

平成元年秋より始まったクリアビジョン放送の一環として, テレビ放送波にGCR (Ghost Cancel Reference) 信号が重畳されている.このGCR信号を用いてゴーストを除去する装置で使用されるトランスバーサルフィルタのタップ利得決定のアルゴリズムは古くから様々の方式で研究されている.ZF (Zero Forcing) 法, MSE (Mean Square Error) 法等が代表的なものである.本論文では, このようなアルゴリズムの1つとして筆者らが検討してきた適応形ZFアルゴリズム, および同手法によるゴースト除去装置の実験結果について述べる.このアルゴリズムは, ZFアルゴリズムにおける修正係数を, 実データから得られる評価関数をはじめ, いくつかのパラメータにより適応的に制御する手法である.この手法により, 処理が単純で効率的である反面耐雑音性や安定性に問題があると指摘されていたZFアルゴリズムをさほど複雑化せず, 高速かつ安定な動作を行わせることができる.