FOUR CASES OF BOWEL RERFORATION FOLLOWING RADIATION THERAPY FOR CERVICAL CANCER

は じめ に 子 宮頚癌 に対す る放 射線 照射 の 効果 は著 し く,適 応 とな る症 例 も増加 の傾 向 にあ る.し か し,一 方 で は他 臓器,特 に直 腸 をは じめ とす る消化 管 の障 害 も増 加 し, 看過 す る こ との で きな い問 題 とな って い る. 我 々は,最 近子 宮頚 癌放 射線 照 射後 に発 生 した 腸管 穿孔 を4例 経 験 した ので,若 干 の文献 的考 案 を加 え報 告す る. 1.症 例 表1に 自験4例 の概 略 を示 す.こ れ らは昭和55年6 月 か ら昭和58年6月 まで に経験 した もの で あ る. 症例1: 62歳 女 性,子 宮 頚癌IIIaで 腔 内照 射(B点 で137Cs 1,851rad)お よび外照 射(60Co 6,500rad)を 受 けた.開 腹 術 の既往 な し.照 射 後1年2ヵ 月 目に腹 痛 と嘔吐 を主 訴 に来院 した.回 盲 部 に腫瘤 を触 知 し, 急性 虫垂 炎孔 の疑 い で緊急 手 術 を施行 した.そ の結 果, 回腸 末端 の狭 窄 と穿 孔 を認 め,穿 孔 部 に膿瘍 を形成 し て いた.ま た,上 行 結 腸後 部 に子宮 頚 癌 の浸潤 と思わ れ る腫 瘤 を触知 した.そ こで,回 盲 部 切除 術お よび回 腸上 行 結腸 端 々吻合 術 を施 行 した.摘 出標 本の 肉眼的 所 見 では(図1),腸 間 膜 の短縮,漿 膜 面 への 白苔 の附 着,腸 管壁 の浮 腫,肥 厚,硬 化 にこ加 えて,粘 膜 面には び らん,潰 瘍,穿 孔 を認 めた.組 織学 的 に は(図2a, b),特 徴 的 な所 見 と して,慢 性 炎症 性細 胞 浸潤,内 腔 狭 窄 を伴 う動脈 炎 お よび粘 膜 下 層の 線維 化 を認めた. 術 後経 過 は比較 的 良好 で あ った が,術 後3ヵ 月 目に子 宮 頚癌 再 発 に よ り死亡 した. 症例2: 72歳 女性,子 宮 頚 癌 再発 例 で,腔 内照射(ア プ リケー タ ー挿 入 で137Cs約5,000rad)お よび外照射 (60Co 4,000rad)を 受 けた.照 射後6ヵ 月 目に腹痛, 嘔吐,下 血 を きた し来 院 した.腹 部 単純X線 撮 影所見 よ り,イ レウス と診断 し開腹 した.そ の結 果, S状 結腸