GLUCAGONOMA SYNDROME; A CASE REPORT WITH NECROLYTIC MIGRATORY ERYTHEMA

患者;38歳,女性.主訴;痒みを伴う皮疹.現病歴;平成13年7月より,下肢に始まり上半身に拡大する強い痒みを伴う紅斑が出現した.壊死性遊走性紅斑を疑い,血中グルカゴン値を測定したところ2,100 pg/mlと高値を示した.超音波検査,CT,MRIにて膵尾部に分葉した3.5 cm大のhypervascularな腫瘍性病変を認め,グルカゴノーマと診断した.平成14年1月,手術を施行.膵尾部に3.5cm大の雪だるま型を呈する腫瘤を認め限局性で周囲への浸潤やリンパ節転移を認めないため脾温存膵尾部切除を施行した.固定後割面では被膜を有する内部灰白色の均一な腫瘍で,腹側に分葉発育し内部には嚢胞を有していた.病理組織学検査;glucagon陽性,血管侵襲を伴うためglucagonoma,low-grade malignantと診断した.術後5日目には,グルカゴン値は正常値に戻り,皮疹も消失した.術後4年を経過しているが再発の徴候はない.