A Study of Anal Diseases in Children

小児の肛門疾患は決して稀なものでなく, 日常外来診療においてしばしば遭遇するものである.1年7カ月間に受診した15歳以下の患者314名を対象として小児の肛門疾患について検討を加えた.小児患者は, 全体の3.64%を占めた。疾患別には, 裂肛が最も多く56.7%, ついで痔瘻, 内痔核, 肛門〓痒症であった.成人における各疾患の頻度とかなり異なっていた.また, 性による特殊性も認められ, 乳児痔瘻は全例男児であった.女児の乳幼児においては, ほとんどが裂肛患者であった.その他の疾患においても, 小児期における解剖学的未発達さ, 性による要素, 免疫学的要因などが重要な要素となり, これらが解消されるに従って軽快した.つまり, 幼小児期においては, 一般に適切な保存的療法が重要である.