Edge Adaptive Noise Reduction Algorithm Based on Human Visual Characteristics

近年,安心安全な社会の実現を目的として,車載カメラや 監視カメラの普及が急速に進んでいる.これらのカメラでは, フィールド上のいかなる環境条件においても画像ノイズが少 なく鮮明な画像を取得し,ユーザに提示できることが求めら れている.しかし,暗所撮影時など光量不足を補うための高 感度化処理が施された場合,レベルの大きいノイズが画像に 重畳し,画質が低下するという課題があった. 高感度化処理が施された画像に重畳されるノイズの多く はガウシアンノイズであり,これを除去するためのさまざ まな画像フィルタが古くから研究されてきた.一般的な手 法は,ノイズが重畳された画像信号からノイズ成分を推定 し,推定したノイズ成分に対して平滑化フィルタを適用す ることでノイズ除去を行うものである.しかしながら,ノ イズレベルの大きな画像を扱う場合,解像感低下やテクス チャの変化が起こるという課題があった. 本論文では,車載カメラや監視カメラへの適用を目的と し,上記課題を解決するための新たなノイズ除去アルゴリ ズムを提案する.本提案手法は,2次元離散コサイン変換 (2D-DCT: 2Dimensional-Discrete Cosine Transform)を用 いて周波数別にノイズ除去を行う画像フィルタであり,さ らに被写体のエッジ量に応じてノイズの見え方(ノイズの 視認性)が変化するという人間の視覚特性を考慮して画素 単位でノイズ除去の強度を制御すること,エッジを保存し つつノイズを除去するよう被写体のエッジ形状を考慮して 画素単位でフィルタ特性を制御することを特徴としてい る.本手法を用いることで,解像感低下を抑制しつつノイ ズ除去が実現可能となる. 以下,本論文の2章では関連する研究と本研究の目的を 明確にする.3章にて提案アルゴリズムを解説,4章にて評 価前の予備実験結果,5章にて画像シミュレーションによ る評価結果を示す.