Depth Perception Effect of Dynamic Depth Cues for Monocular Head-up Display Realizing Augmented Reality

車載用ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display: HUD) は,車のフロントガラスに映像を反射させて運転者の前方視 界に虚像を表示するもので,運転中に少ない視線移動ですば やく情報が得られることが特徴である.1988年に初めて 自動車用に実用化され,2000年頃から高級車を中心に一部の 車種に搭載されてきた.HUDは,フロントガラス越しに見 える実際の風景上に映像を重畳して表示することが可能なこ とから,近年急速に発展した拡張現実技術(AR)を用いた次 世代の表示システムとして期待されており,外界重畳可能な HUDの研究開発が進められている.AR技術との組合せ により,例えば,カーナビの道案内表示として実風景の曲が り角に直接方向表示が可能になるなど,運転者にとって直感 的でよりわかりやすい表示が提供できる.このため,欧州市 場を中心に急速な広がりを見せている. 従来のHUDは両眼で映像を見るため,運転中に見ている 実際の風景とHUDで表示される映像を同時に見ることが困 難であった.これはHUDで表示される映像の虚像面が2~ 3m先に固定されているために起きる.運転者が遠方に焦点 を合わせているときには,図1に示すようにHUDの映像は 右目と左目で別々の位置に知覚され,HUDの映像が二重に 見える.これは,人はある奥行き位置のものを両眼で見よ うとするとき,その奥行き位置に両眼の輻輳角を合わせる ため,奥行き位置の異なるものを同時に見ようとしても輻 輳角のミスマッチが発生し,どちらかのものは複視として 二重に知覚されるのである.したがって,逆に運転者が HUDの映像に焦点を合わせているときには,前方の風景が ぼやけて見える. この課題を解決するため,運転者の前方風景とHUDの映 像を同時に視認できる新しい単眼HUDシステムを提案した (図2).これはLCDパネルを通過した拡散光の拡散角度を 制御するアパーチャ光学機構を設け,HUD映像が見える範 囲を両目の間隔(約6cm)以下に限定することにより,運転 者の片目のみに映像を投影することを可能にした.これに より両眼視で発生していた複視が解消され,フロントガラ ス越しに見える実空間上のどの奥行き位置を見ながらでも, HUDの映像を同時に見ることが可能になった.また両眼 HUDの映像は,両眼視差によりその虚像位置に映像が固定 して知覚されるのに対して,単眼HUDの場合は両眼視差が ないので表示の奥行き位置が虚像位置に固定されない. したがって,単眼HUDにおいては,実空間の任意の奥行き 位置に映像を知覚させることができると考えられ,そのた Abstract A head-up display(HUD)superimposes the reflected display image and background space and is expected to be a new display that achieves augmented reality for vehicles. We have proposed a novel monocular HUD system that can set the HUD image to any depth position. The monocular HUD system needs to control the perceived depth position of the display image, thus we have developed a method to control the depth perception position of the display image. In our last report, we described how the depth perception position can be controlled up to 60m by a static display image with monocular depth cues. In this study, we investigated the effectiveness of dynamic depth cues, a head motion parallax method and a dynamic perspective method in the depth perception position of monocular vision. The experimental results show the depth perception position can be controlled up to 120m by dynamic display image.