A Testbed with a Practical Smart Antenna for Directional MAC Protocols

This paper develops a MAC protocol testbed called TRNC/ESPAR for ad hoc networks, which enables the evaluation of directional MAC protocols as well as omni-directional protocols. At first, we investigate the requirements for the testbed. Based on them, TRNC/ESPAR is designed to consist of ESPAR as a practical smart antenna, IEEE 802.15.4 as a wireless module, GPS and gyro modules to support a location dependant MAC. After describing the detail design, we investigate the basic performance of the testbed and implement CSMA/CA. Implementing one of directional MAC protocols with 4 nodes, DMAC shows that the protocol doubles the throughput compared with CSMA/CA because of SDMA effect but if the pair is too near DMAC throughput degraded in a real environment, which could not be found without the testbed. Keyword MAC Protocol, wireless ad hoc network, smart antenna, directional communication, testbed, implementation 1. はじめに 近年,無線通信技術の進歩と無線機器の普及に伴い, 無線通信メディアアクセス制御 (MAC)プロトコルが盛 んに研究されている.これらの研究において開発され る MAC プロトコルの動作検証や性能評価の多くは計 算機シミュレーションによって行われている.計算機 シミュレーションによる評価は,個々の端末の移動性, アンテナモデル,電波伝搬などを理想化しており,実 環境における性能を十分に評価できない.本研究では MAC プロトコルを実装実験するための装置 (以下 TRNC/ESPAR, Testbed for mac protocols in Real ad hoc Networks using directional Communications with ESPAR antenna)の構築を行い,テストベッドの評価,改良を 行う. 本テストベッドは物理層に ZigBee (IEEE802.15.4)[1] の物理層を用いる.アンテナは放射ビームを指向性制 御可能な ESPAR(Electronically Steerable Passive Array Radiator)[2]アンテナを利用する. 開発したテストベッドを用いて,CSMA/CA 4way, D-MAC(Directional MAC)[6]などの既存の MAC プロト コルの実装実験を行なう.これにより,テストベッド の動作確認をするとともに,実環境下で発生する問題 を明らかにする. 2. TRNC/ESPAR 2.1. 要求条件と設計方針 まず,テストベッドの要求条件を調査した.その結 果を以下に示す. I. MAC プロトコルが容易に実装実験できる 1プログラミングライブラリ 2一般的なプログラミング言語の利用 II. デバッグしやすい環境 1通信結果の収集,表示 2計測,実験用ツール 3性能測定処理の自動化 III. さまざまなプロトコルが実装できる 1位置情報,指向性ビーム,端末の向き,送信電 力制御を考慮したプロトコル IV. ハードウェアコスト 1安価で入手しやすい まず,MAC プロトコルを容易に実装するためには特 別なハードウェアの知識なしにプログラミングできる ことが求められる.従って,シミュレータに MAC プ ロトコルを実装するように,ハードウェアを意識せず に MAC プロトコルをプログラミングすることができ る環境が求められる.そのためには開発言語として汎 用的なプログラミング言語を利用し,ハードウェア制 御に関する部分をプログラミングライブラリとして提 供する.また,プログラムはマイコン上で実行される ため,計算機上でのデバッグ作業のように動作を随時 確認することが困難である.これは通信実験を行う際 にも当てはまる.デバッグを行いやすい環境,通信実 験を支援するツールも必用であると考えられる. つぎに,アドホックネットワーク向けの MAC プロ トコルの研究では位置情報,指向性通信,送信電力制 御などを利用したプロトコルの開発が行われている. このように,様々のプロトコルが実装できることが求 められる. 最後に,通信実験を行うためには複数の端末が必要 になるため,ハードウェアコストが問題となる.その ため,マイコンなどには汎用的なものを用いる. テストベッドとして MICA MOTE[3]や,WACNet[4], U [5]などが知られている.どちらもアプリケーショ ンやルーティングプロトコルの評価を主な目的に開発 されており MAC の性能評価は必ずしも容易であると は限らない. 2.2. システムの詳細 テストベットの外観を図 1,図 2 に示す.使用した デバイスは表 1 に示す.テストベッドは,データ発生 やログ収集を行う PC と接続するための I/O 部,動作 検証するプロトコルを実装する通信部,位置・方位計 測部,スマートアンテナ部により構成される.通信部 は無線モジュールをマイコンで制御する.プロトコル 設計者はプロトコルに合わせてマイコンのプログラム を書き換えることで容易に MAC プロトコルの実機検 証が可能である. 通信部では無線モジュールに ZigBee チップを用い ているが,ZigBee MAC の制御パケットを使用せずに, ZigBee MAC のデータパケットのペイロードに MAC パ ケットを格納し送信することで擬似的に MAC を実現 する(図 3).ZigBee の最大ペイロードサイズは 128byte である.これを超えるデータを送信する場合は DATA