Development of Hydrophilic Active Carbon for High Performance Adsorption Heat Pump

水蒸気を作動媒体とする吸着ヒートポンプ用吸着材の高性能化開発手法の確立を目的として,親水性処理による新規活性炭の設計・製造を行った.5種類の活性炭に対して酸化処理活性炭を製造した.酸化剤には塩酸,硝酸を使用し,濃度0.5–1.0 mol/dm3,酸化時間2–4 hの範囲の酸化処理活性炭を得た.この活性炭について,298 Kにおける水蒸気吸着等温線,官能基量(Fs)の測定,ならびに等温線に基づく細孔表面–水蒸気間の接触角(θ)の推算を行った.酸化処理活性炭の等温線は,試料によらず,細孔分布を考慮に入れた毛管凝縮のKelvin式で相関できる.その等温線は未処理活性炭に比べて低相対圧側(φ)へシフトする.また,φ=1における吸着量の1/2量を示す相対圧(φ0.5)の対数値はcos θの増大とともに直線的に減少する.Fs値はcos θの増大とともに増大する.これより,親水性官能基量が活性炭の水蒸気吸着性能の指標となることが示された.さらに,酸化処理活性炭はAHP用のシリカゲルのそれぞれクローズドシステム用として1.2倍およびデシカントシステム用として1.9倍の吸着容量を有することを認めた.