A Case of Primary Chondrosarcoma of the Lung

背景.原発性肺軟骨肉腫は本邦における報告例が15例の稀な疾患である.今回われわれは,臨床病理学的に確定診断しえた1例を経験したので報告する.症例.76歳,男性.定期検診の胸部X線で右上肺野に2.5 cm大の結節影を指摘された.胸部CTで腫瘍性病変を疑い,胸腔鏡補助下に肺部分切除術を施行した.病理組織学的に組織型不明の肉腫と診断された.全身精査で他臓器に異常はなかった.術後11ヶ月,胸部X線で右上葉の無気肺を認め,胸部CTで上葉に切除断端を含む腫瘍性病変を認め,右肺上葉切除術を行った.病理組織学的に軟骨肉腫と診断され,局所再発と考えられた.初回手術より3年10ヶ月経過し,他臓器に異常を認めず,臨床的に原発性肺軟骨肉腫と診断した.結論.原発性肺軟骨肉腫は報告例が少なく,生物学的特徴を含め詳細な検討がいまだになされていない.治療は手術が第一選択であるが,術式は確立されていない.本症例は腫瘍を含む肺部分切除術後に短期間で同一肺葉内に局所再発をきたしており,局所制御を目的とした肺葉切除術の必要性が示唆された.