Correlation between Student Habits of Engineering Department and Academic Results

105 1.はじめに 大学生の成績は,学生の生活習慣と高い相関がある と考えられている.例えば毎日朝食をとる習慣がある 学生や早寝早起きをする学生は,そうでない学生と比 較し,成績が良いと考えられている.特に生活におい ては,小中学生の成績と朝食をとる習慣の関係が調査 され,その結果が文科省のホームページや文献等で広 く公開されている.また,近年ではスマートフォンや テレビの利用が成績に悪影響を及ぼしているという報 告もある.もちろん,自習時間などの学習態度や修 学意識と成績の関係についても調査がなされており相 関があることが指摘されている.いずれにせよ, 大学生の生活習慣と成績に相関があることは明らかで あり,各大学では学生の生活習慣を把握すべく,積極 的に学生生活実態調査が行われている. いくつかの大 学では,調査結果やその分析結果を大学ホームページ 上で公開するとともに,学生の生活習慣を把握し,大 学のサービス向上や,学生の教育指導の向上に利用し ている. これらの生活実態調査は,主に学生に対するアンケ ート形式で行われているが,質問項目にあるどのよう な生活習慣が,学生の成績と相関があるかの調査につ いては十分検討されているとは言い難い状態である. 富山県立大学においても学生生活実態調査を行ってき たが,質問項目の意図については,学生の成績と相関 がない,もしくは非常に低いと思われるものも散見さ れる状態である.学生生活実態調査を大学の教育指導 にフィードバックするならば,成績と相関の強い生活 習慣を質問項目に設定することが重要である.しかし, 多種多様な大学生の生活習慣の中で,実際に成績と相 関の強い習慣を明らかにした調査報告はこれまでにな い.本研究は,富山県立大学で2014年度(2015年3月) に行った学生生活実態調査の結果と各学生の成績を照 らし合わせることにより,成績と相関のある生活習慣 を明らかにすることを目的とした.統計検定( t 検定 もしくはマンホイットニーのU検定)により今回の生 活実態調査で用いたアンケートの各質問項目と学生の 成績との相関の強さを明らかにした.