[Development and clinical assessment of isolated pelvic perfusion].

骨盤内進行性悪性腫瘍および骨盤内再発症例に対し ては全身化学療法や動脈内注入療法が広く行われて いる.これらの方法では投与された抗癌剤が静脈から 全身へと循環するため,副作用の点から投与量を自ずと 少なくせざるを得ない.殆どの抗癌剤は投与量と治療 効果が相関するため,治療効果を上げるためには第 1 に投与量を増加させ,第 2に投与時間を増加させる のが理想である.これらの問題点を克服するために, 「閉鎖循環下骨盤内抗癌剤灌流療法(Isolated Pelvic Perfusion)」が考案された.この療法は放射線科的 処置(血管造影の技術)と外科的処置により大動脈, 下大静脈をバルーンカテーテルを用いて一時的に 閉塞し,同時にタニケットにより下肢の血流を一時的に 遮断,骨盤部の血流を遮断して同部に抗癌剤を注入, 吸引し,骨盤内の抗癌剤濃度を高く保ち骨盤外への 抗癌剤の漏出を出来うる限り抑える方法である.