Improvement of Image Quality of Phase-Only Hologram using Random Phase-Free Method and Verification by Simulation and Optical Experiments

ホログラフィは,光の干渉や回折現象を利用して光の波 面を記録・再生する技術である.所望の光の波面を記録し たホログラムはコンピュータ上の光伝搬シミュレーション によって生成することが可能であり,計算機合成ホログラ ム(Computer-Generated Hologram: CGH)と呼ばれる. CGHは3次元ディスプレイ1)や,ホログラフィックプロ ジェクタ2)~4)といった装置への応用が提案されている.し かし,これらの技術的課題のひとつとして,スペックルノ イズによる再生像の画質劣化が挙げられる5).従来,CGH を生成するには元画像にランダム位相を付加して元画像か らの光を拡散させ,ホログラムに光の波面を記録するラン ダム位相法が用いられていた.しかし,ランダム位相がホ ログラムの再生像にスペックルノイズを重畳させる一因と なっていた. その改善策として,ランダム位相の代わりに仮想的な球 面波の位相パターンを用いるランダム位相フリー法が提案 されている5).このランダム位相フリー法は,振幅型ホロ グラムに対してはスペックルノイズの抑制効果が認められ ているが,位相型ホログラムに対しては直接適用できない. そのため,ランダム位相フリー法と誤差拡散法をキノ フォーム(以降では,位相型ホログラムと呼ぶ)に適用させ る手法が提案されている6).しかし,再生像の画質が劣化 するという課題があった. 本研究では,位相型ホログラムにランダム位相フリー法 を適用させる新たな2つの手法を提案する.また,数値シ ミュレーションおよび光学実験を行い,従来手法に対して, 再生像の画質,回折効率および計算時間について比較を行 い,提案手法1および提案手法2の有効性を確認した.