A Case of Inappropriate Antidiuretic Hormone Secretion(SIADH) in a Patient with Burns.

症例は約25%熱傷の83歳男性である。創面の回復は順調であったが, Na補給により補正し得ない低Na血症が出現した。血漿浸透圧低値, 尿浸透圧および尿中Naの増加を認め, 血中抗利尿ホルモン(ADH)値は血漿が低浸透圧を示すにもかかわらず抑制されていなかった。また, 副腎, 甲状腺および腎機能は正常で, ADH分泌不適合症候群(SIADH)と診断した。水制限により低Na血症は改善した。熱傷を契機に発症したSIADHの報告はきわめて少なく, その発症機序を考える上で興味深い。