Leaching Properties of Contaminants in a Solid Waste Landfill Layer

廃棄物埋立地から発生する浸出水の適切な処理を行うためには, 浸出水の水質を事前に予測できるようにする必要がある。また浸出水の水質に関係する埋立層内での汚濁成分の移動機構を解明するためには, 汚濁成分の溶出にともなう埋立層の内部構造の変化も明らかにする必要がある。本報は, これらの課題に共通して必要な廃棄物からの汚濁成分の溶出特性および溶出速度係数を定量的に求めることを目的としたものである。溶出特性を求める実験より, 廃棄物から多量に溶出する成分がCl-, Na+, K+, Ca2+, TOC, T-Nの6成分であり, これらの成分のうちCl-, Ca2+が約5割を占めること, pHはNa+, K+, Ca2+の溶出に影響を及ぼし, その中でもCa2+に対する影響が顕著であること, 温度はCl-, TOCの溶出に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。さらに, 物質収支モデル式中の溶出速度係数を推定した結果から, 溶出速度係数が流速のほぼ2乗に比例していることを示した。