Ba Evaporation of Ir Coated Impregnated Cathode

衛星搭載用進行波管や クライス トロン,撮 像管, ブラ ウン管等の高電流密度動作 と長寿命を要求 され る高信頼 性の電子管の心臓部 であるカ ソー ドには,含 浸型 カソー ドが近年使用 される ようになった. 含 浸型 カ ソー ドは,多 孔 質 の タ ン グス テ ンに BaO, CaO,Al2O3か ら成 る電子放射 物質 を含浸 した ものであ る.カ ソー ドの表面 にOs,Os-Ruあ るいはIrな どの 白 金族金属を被覆 した含浸型 カ ソー ドは一 般にMタ イ プ カソー ドと呼ぼれてい る.こ れ らの金属 をカ ソー ド表面 に被覆す るこ とによ り,カ ソー ド表面の仕事 関数 を低減 させ熱電子電流 を多 く取出す ことが可能で,又 動作温度 を50~100度 低温に して動 作 させ るこ とが可能 とされ て い る. Os-Ruを 被覆 した ものは,時 間の経過 に伴い コーテ ィング層が合金化に よ り徐 々に変質 し,エ ミッシ ョン特 性 の変動 を きたす と言 われて いる1),そ れに対 して, Ir を被覆 した ものは被覆層を合金化処理す ることに よ り極 めて安定な合金層が形 成 され,エ ミッシ ョンが長時間に わ た り安定 して取出す ことがで きる ようになる2). 進行波管,ク ライス トロン,ブ ラウン管等 は一般に高 電圧 で動作 され るためエ ミッシ ョン特性 の他 に管 内の耐 電圧特性が重要であ る.管 内の耐 電圧特性 を劣化 させる 大 きな要因 として含浸 された電子放射物質 の熱蒸発が あ る. 本 報 告 で は,寿 命 特 性 及 び 耐 圧 劣 化 に 大 きな 影響 を 及 ぼ す カ ソー ドか らの電 子 放 射 物 質 の 内,蒸 発 量 の 大 きい Baの 蒸 発 に注 目 し,Ir,Os-Ru.無 コ ー トタイ プの 含 浸 型 カ ソー ドに つ い て 比 較調 査 した.