A CASE OF LEFT PARADUODENAL HERNIA DIAGNOSED PREOPERATIVELY AND TREATED BY LAPAROSCOPY-ASSISTED SURGERY

術前診断が可能で腹腔鏡補助下根治術を施行した左傍十二指腸ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は20歳,男性.突然の心窩部痛,嘔気にて来院した.入院時腹部CT検査では,左上腹部に小腸の限局性拡張像と,拡張腸管の腹側を走行する下腸間膜静脈(IMV)を認め左傍十二指腸ヘルニアと診断した.腹部所見,炎症所見が軽度であったため経鼻胃管挿入下に減圧施行後,待機的に腹腔鏡下手術を施行した.腹腔内を観察したところ, Treitz靱帯左側の傍十二指腸窩にヘルニア門が認められた.腹腔鏡下でのヘルニア内容の整復は容易であったが,完全な整復の確認およびヘルニア門すぐ左縁を走行するIMV損傷の危険性を考慮し,小開腹下にヘルニア門を閉鎖した.本疾患の診断には腹部CTが有用であり,確定診断のうえ腸管減圧ができていれば,待機的な腹腔鏡補助下根治術が可能であると思われた.