Analyzing Defect Correction Effort Using Defect Attributes in a Multi-vendor Information System Development

ソフトウェア開発プロジェクトにおいて,重大な(修正工数の大きな)障害の発生は,開発コスト の超過や納期の遅延を招くため大きな問題である.本論文では,障害の修正工数に寄与する要因を明 らかにするために,日本のある典型的なマルチベンダ中規模情報システム開発を対象とし,設計から 総合試験までの 6 カ月間に生じた障害の特性値を数多く収集し,修正工数に寄与する要因を統計的 に分析した.分析の結果,総合試験で発見された障害が単体試験/コーディング工程で発見されたも のより 4.88 倍の工数がかかることが分かった.これは,「障害の発見が遅れるほど修正工数が増大す る」という法則を裏付けている.また,障害が混入してすぐに発見された場合と比較して,2 工程以 上遅れて発見された場合に工数が 4.44 倍になった.このことから,「滞留する時間が長ければ長いほ ど,障害の修正コストが高くなる」という法則も裏付けられた.さらに,障害の再現度や重要度など が修正工数に影響することも明らかになった.