LC/MS/MSによるツキヨタケおよび食中毒原因食品中のilludin Sの分析

LC/MS/MSを用いてツキヨタケおよびその食中毒原因食品に含まれるilludin Sの定量法を開発した.試料をメタノールで抽出し,Oasis HLBを用いて精製し,LCのカラムにはInertsil ODS-3を使用し,移動相には0.1%ギ酸-メタノール(7 : 3)を用いた.MS/MSの条件はESIポジティブモード,測定はMRMモードで行った.本法では他のキノコに添加した場合のilludin Sの回収率は84~94%で,検出限界は0.08~0.10 μg/gであった.食中毒原因食品からilludin Sの測定は可能であり,食中毒食品を想定したキノコ汁についてはilludin Sの回収率は74.8%であった.本法はツキヨタケおよび食中毒原因食品中のilludin Sの分析に有用な方法である.