A CASE OF TORSION OF THE OMENTUM SECONDARY TO A RECURRENT INGUINAL HERNIA

われわれは, 比較的稀な再発鼠径ヘルニアに続発した大網捻転症の1例を経験したので報告する. 症例は61歳, 男性. 入院2日前より左下腹部に間欠性疼痛を自覚した. 徐々に症状が増悪し, 食欲低下, 嘔気, 嘔吐認めたため, 当院を受診となった. 腹部CTでは, 腹腔内左側に脂肪組織を主体とした腫瘤性病変を認めた. 脂肪組織内の血管は渦巻き状を呈していた. また, 右鼠径ヘルニアも認められた. 同日, 急性腹症の診断にて緊急手術を施行した. 大網は3回転捻転し, 右鼠径ヘルニア内へ血行障害に陥った大網が嵌頓していた. 続発性大網捻転症と診断し, 大網切除と右鼠径ヘルニア根治術を施行した. 術後経過良好にて, 12日目に退院した.