Application of Time Domain Transmissometry to Soil Moisture and Salinity Level Measurements in Reclaimed Agricultural Field Covered in Plastic Sheeting

2008年に営農を開始した諫早湾干拓地では,温暖な気候 と大区画圃場のスケールメリットを生かした多品目の露地およ び施設栽培が展開されている.なかでも,プラスチックフィルム を利用して畝の表面を被覆するマルチ栽培は,土壌の保 温 ,雑草の抑制 ,水分の保持 ,土壌侵食およびクラス ト形成の防止 ,マルチ内施肥による減肥 5, ,病害虫の防 除 1, 等の効果が期待される技術として,干拓地農業に広く 利用されている.さらに,下層に高塩分濃度層が存在する干 拓地では,連続干天によって土中水のマトリックポテンシャル が著しく低下し,作物に強い乾燥ストレスを与え得る 8, だけ でなく,蒸発散に伴う上方への水分移動が卓越すると,下層 土中の塩分が遡上する可能性が高い.そのため,土壌表面 における水分蒸発の抑制効果が期待できる プラスチックフ ィルムにより畝を被覆することは,塩害リスクの低減に繋がる可