Goal Oriented Refinement Pattern Driven Use Case Modelling

DOI:10.14923/transinfj.2015PDP0017 れていて,その合理性の確保を期待できる.しかし, こうして合理的に定義することができた要求を,漏れ なく設計に反映して実装する体系だった手順は,まだ 確立されていない. 設計工程では,要求の定義から設計,実装の各工 程までを幅広くサポートし,静的構造と振舞いの実 現方法を効果的に記述する統一モデリング言語(以 降,UML)[5] を用いたオブジェクト指向開発手法が 広く利用されている.要求をユースケースモデルで 定義し体系的に設計・実装へと具体化する手法とし ては,ICONIX プロセス [6], [7] や Rational Unified Process(以降,RUP)[8]のように確立されたものが あり,実務で活用されている.しかし,ユースケース モデルのみによる要求の抽出・分析は,要求の体系化 や論理的根拠の面で十分とは言えず,ゴール指向やそ の他の要求分析手法を事前に利用して要求を抽出する ことが多い.そして,抽出された要求をこれらの要求 分析手法からユースケースモデルに反映するときに発 生するギャップ,すなわち抽出した要求の情報が漏れ てしまうことが,問題となっている. 本論文では,KAOSによる要求モデルをユースケー スモデルに変換するアプローチを提案する.提案アプ ローチは大きく次の二つのプロセスで構成され,全体